ゴルフ会員権業界を取り巻く環境

20096月期】

 

2009612日に東京株式市場で日経平均株価が、昨年107日以来8ヶ月ぶりに終値で1万円を回復しました。世界の株式相場は3月を底に回復し、ロシアや中国、インドの株式指数はリーマン・ショック前の水準まで回復しています。しかし日本の日経平均は、国内景気の先行き不安が依然として強く、昨年のリーマン・ショック前に比べると17水準までしか戻していません。

 

ここでゴルフ会員権相場の水準に目を移してみましょう。

昨秋以降、軟調傾向一途だった会員権相場も、今年4月に入ってから漸く関東及び全国の平均相場が上昇に転じ始めました。

相場帯ごとに7種類に分類した2009年度の1月と5月の買値平均値を比較調査しました。

 

総論から云えば、リーマン・ショック前のゴルフ会員権の買値平均は135万円(対象531コース)で、5月時点では13水準となり、日経平均よりは上昇率が高く推移している模様です。

 

目を見張る動きを見せたのは、買値1,000万円以上の株主制ゴルフ会員権平均の上昇率です。

全体平均の上昇率は108%であり、これを上回る上昇率を示したのは、1,000万円以上の株主制コースのみです。

優良銘柄会員権の会員権価値は必要以上に下がり過ぎたため、市場で正当な評価がされ始めたと推察されます。

 

しかし、優良銘柄である1,000万円以上の預託金制会員権平均の上昇は軽微になっています。企業の不景気を反映して、よみうりGCやレイクウッドGCのような法人接待用コースの買需要が少なくなり、残念ながら横ばい状況に終わっています。

 

またゴルフ会員権相場の2極化現象は、全体相場が堅調になり、今のような悪環境の中で更に顕著になってきています。


下のグラフは、前述の20091月買値数値をゼロ指数とした場合の5月度の指数値を相場分類ごとに表したグラフです。

 

現在の会員権相場全体を牽引したのは、1,000万円帯の株主制ゴルフ場であることが明確に浮き彫りにされます。300500万円帯の会員権には優良コースも多いのですが、不況の煽りを受けて個人の購入予算が追いついていない状況が続いています。

 

また弊社のゴルフ会員権格付評価で分類すると、中心格付を織り成すのは、1,000万円以上と500万円以上はランクA、300万円以上と100万円以上はランクB、100万円未満はランクDとなりました。

 


尚、20095月時点で格付評価A(関東甲信越)に該当する38コースは下記のコースです。

 

1,000万円以上】

小金井カントリー倶楽部         桜ヶ丘カントリークラブ

東京よみうりカントリークラブ      よみうりゴルフ倶楽部

武蔵カントリークラブ          我孫子ゴルフ倶楽部

カメリアヒルズカントリークラブ     鷹之台カンツリー倶楽部

磯子カンツリークラブ          相模原ゴルフクラブ

戸塚カントリー倶楽部          本厚木カンツリークラブ

大利根カントリークラブ

500万円以上】

狭山ゴルフクラブ            森林公園ゴルフ倶楽部

キングフィールズゴルフクラブ      千葉カントリークラブ

藤ヶ谷カントリークラブ         厚木国際カントリー倶楽部

茨城ゴルフ倶楽部            大洗ゴルフ倶楽部

筑波カントリークラブ          軽井沢高原ゴルフ倶楽部

下仁田カントリークラブ         富岡ゴルフ倶楽部

大浅間ゴルフクラブ

300万円以上】

高坂カントリークラブ          東都埼玉カントリー倶楽部

日高カントリー倶楽部                 佐倉カントリー倶楽部

静岡よみうりカントリークラブ      小山ゴルフクラブ

100万円以上】

東都秩父カントリー倶楽部        エンゼルカントリークラブ

東都栃木カントリー倶楽部        朝霧ジャンボリーゴルフクラブ

富士小山ゴルフクラブ          長野カントリークラブ

 

 

現在、100300万円未満の会員権が、中小企業オーナーや会社員を中心に流通主流となり、相場上昇の兆しを示しています。今後の会員権相場の活性化の大きな鍵を握っているのは、この価格帯の会員権価値の高まりでしょう。

ゴルフ会員権ニーズの最も高い100300万円のコースに入会してメンバーの喜びを享受できるところが増えれば増えるほど、ゴルフ会員権の需要と価値が高まります。

ゴルフ場業界およびゴルフ会員権市場の再生と活性化のためにも、現在の買値希望100万円以上のゴルフ場が、ビジターとの差別を明確にはかるメンバー主体の運営とサービスに徹底されることを期待してやみません。