パレードの法則〜ゴルフ会員権相場 編 |
【2010年3月期】 財務省発表によると、2009年10月〜12月期の法人企業統計における企業の経常利益は10兆3,763億円となり、リーマンショック直後の2008年10月〜12月との比較で約2倍に伸ばしました。(2007年比較では7割水準) 但し、設備投資は前年同期比17.3%減(11期連続マイナス)、売上は3.1%減(8期連続の減収)であり、日本経済は依然として厳しい環境下にあると認識させられました。 では、ゴルフ会員権の前年同期比はどうでしょうか。 関東ゴルフ会員権平均相場の2009年10月〜12月と2008年10月〜12月比較では、4.4%減(150万円→142万円)となり、日本経済環境に連動し、企業売上の推移と同じ曲線を描いております。 ゴルフ業界を振り返ると、ゴルフ場の法的整理は、過去19年間で、2002年をピーク(130コース/3兆円超)に合計790コースを超え、負債額合計は15兆円超という惨憺たる数字を残してしまいました。 日本のゴルフ場の90%以上は預託金制のゴルフ場ですから、あたかも預託金制ゴルフ場の全てのコースは預託金を返還しないと思い込んでいる方々も少なくありません。世の中の信用・信頼を完全に失墜させた19年間だったと云えるでしょう。 しかし一方、現在、会員の権利である預託金返還に応じ、または真正面から真摯に取り組んで経営しているゴルフ場も少なくありません。その事実もより多くの人に知って頂く必要があると弊社は強く感じております。新聞を始めとするマスコミでは、預託金問題に真剣に対応しているゴルフ場にスポットライトを当てず、預託金問題による法的整理のマイナス部分や倒産したゴルフ場(預託金債務の大幅カット)の再生ビジネス等をクローズアップさせ続けてきています。 弊社の調査では、関東圏(1都12県)のゴルフ場で預託金制ゴルフ場は693コース、その内の15%にあたる107コースが預託金返還に応じているという結果が出ています。 (1年以内に返還実施のゴルフ場) 107コースの内、AIゴルフ総研の格付評価B以上(S・A・B・C・Dの5ランク付)は86コースで約80%を占めています。 2010年2月末日現在、関東圏の預託金制コースで市場流通しているコースは、455コースあります。455コースの相場総額は、4億5,864万円。預託金返還実施しているコースで市場流通しているコースは73コース(他32コースは譲渡不可、名義書換停止中)あり、相場総額は2億7,519万円に達します。 実は、預託金制ゴルフ会員権で市場流通している455コース中、預託金返還を実施しているたった16%の73コースが、60%の相場総額をシェアしているのです。 経済学で、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているというパレードの法則(80対20の法則)や78対22の法則というものがあります。 『売れ筋商品の22%が、売上全体の78%を占める』 『ビジネスにおいて、売上の約8割は、全顧客の約2割が生み出している』 『仕事の成果の約8割は、費やした時間全体の約2割の時間で生み出している』 『正方形に内接する円・・・正方形の面積を100とすると円以外の面積22に対し円の面積78』 『宇宙は全て78対22に分割されている』 *
空気中で、人間が必要とする酸素22%に対し、窒素は78% *
地球上で、人間が住むことが出来る陸地22%に対し、海78% *
人間の身体で、水以外22%に対し、水分78% 等々 さてゴルフ会員権では、この法則にゴルフ会員権がどの程度当てはまるのかを今回レポートで検証致しました。 @
【相場上位20%で比較】 関東圏ゴルフ会員権の流通市場において、相場上位20%が占める相場総額の割合 関東圏会員権流通コース数・・・526コース 相場上位20%コース数 ・・・105コース 526コースの相場総額7億3,777万円に対し、上位105コースの相場総額は、6億2,223万円です。 ⇒上位20%のコースが、相場全体の84%をシェア A 【格付評価B以上で比較】 関東圏の預託金制ゴルフ場の流通市場において、AIG総研の格付評価B以上が占める相場総額の割合 預託金制会員権流通コース数・・・455コース 格付評価B以上コース数 ・・・90コース(全体の19%) 455コースの相場総額4億5,864万円に対し、格付評価B以上90コースの相場総額は3億5,969万円です。 ⇒格付B以上の19%のコースが、相場全体の78%をシェア B 【名門株主制・社団法人制で比較】 関東圏ゴルフ場の流通市場において、完全株主制&社団法人制ゴルフ場が占める相場総額の割合 関東圏会員権流通コース数 ・・・526コース 完全株主制&社団法人制コース数 ・・・ 41コース(全体の7.8%) 526コースの相場総額7億3,777万円に対し、完全株主制&社団法人制41コースの相場総額は2億6,085万円です。 ⇒名門.7.8%のコースが、相場全体の35%をシェア (※単純倍数で約15%が70%をシェア) やはりゴルフ会員権市場においても、 『相場総額の大部分は、一部の要素(少数の優良コース)が生み出している』と実証されていると云えるでしょう。今後は益々、顕著にゴルフ会員権相場の2極化現象に開きが生じると弊社では推察しております。 極端な話、近い将来、『ゴルフ会員権市場は、資産価値を有する20%の会員権に対し、資産価値を喪失する80%の会員権』という図式が成り立ってしまう可能性があります。 これらの点にも大いに留意し、今後も法人や個人の方々が、ゴルフ会員権を安心して保有して頂ける情報やサービスを提供し続けることをAIゴルフ総研はお約束いたします。 |