ゴルフ会員権業界を取り巻く環境

週間ダイヤモンド ゴルフ場人気ランキングBEST100 & AIゴルフ総研 会員権格付評価BEST100

20106月期】

 

週間ダイヤモンド2010518日合併特大号)の『特集 復活!日本のゴルフ場2010』で5,345人が選んだゴルフ場人気ランキングが発表されました。

ゴルファーにとっての関心度や話題性は殊更大きかったようです。

 

弊社にもお客様から

「ランキングの信憑性はどうなのか」、

「会員権の購入の目安にしてよいのか」、

「ランキング上位はAIゴルフ総研の格付評価も高いのか」、

「売却しようと考えていたが、ランキングに入っていたので持っていた方が良いのか」

等々のご質問が多く寄せられました。

 

よって20106月度のゴルフ会員権業界を取り巻く環境のテーマは、

“週間ダイヤモンド ゴルフ場人気ランキングBEST100 & AIゴルフ総研 会員権格付評価BEST100

として、関連性の分析を5つの観点からご報告申し上げます。

 

 

【1.大前提の相違点】

ダイヤモンド社の人気ランキング評価と弊社の会員権格付評価の相違する点は、ゴルファーの視点が違うという事です。大前提となる評価の“根っこ”の部分が大きく異なります。

 

ダイヤモンド社ゴルフ場人気ランキングの調査内容は、「過去1年間に実際にプレーしたなかで最も良かったゴルフ場」「プレーしてみたいゴルフ場」の2つが大きな基軸となっています。

 

弊社ゴルフ会員権格付評価の調査内容は、「資産保全性の高いゴルフ会員権」「メンバーになる価値のある会員権」の2つが大きな基軸となっています。

 

誤解が生じることを承知で端的に申し上げれば、

週間ダイヤモンドのゴルフ場人気ランキング100(プレーしてよかったゴルフ場)は、一般大衆のビジター見地からの視点が強いランキングと云えます。実際、投票対象者のスコア別に目を移すとスコア100以上のゴルファーが2,293人(42.9%)を占めています。

主観、景観やサービスが反映されたランキングとも云えます。


 

一方、AIゴルフ総研の会員権格付評価は、ゴルフ会員権の資産保全性を大きな目的としていますので、スコア100未満のゴルファー、つまり会員権保有者や会員権購入が視野にあるメンバー見地からの視点が高いランキングと云えます。

主観や感性は排除された、数値やデータに基づく資産性と会員価値性が反映されたランキングです。

 

 

ダイヤモンド社の人気ランキング調査評価とAIゴルフ総研の会員権格付調査評価の詳細項目は下記の通りです。

 


 

【2.プレーしてよかったゴルフ場ベスト100に対する会員権格付評価の分布状況】

《人気ランキングの格付評価の分布状況》

対象:週間ダイヤモンド 人気ランキングベスト100

テキスト ボックス: ※パブリック7コース除外  ※太平洋Cは共通会員権のため除外
※紫CCは会員制すみれコースを適用

格付分類は、評価A・B・Cで約80%以上を占め、上位の約40%のコースは、特に弊社が推奨する資産価値要素が高い会員権(格付SA)でしたが、約34%のコースは格付評価と乖離したコース(格付CD)という結果でした。尚、AIゴルフ総研格付評価BEST100のうち、ダイヤモンドランキングBEST100に入っていたコースは40コースです。

 

【3.プレーしてよかったゴルフ場ベスト30の格付評価の詳細比較】

《単純得票 人気ランキングベスト30に対する格付評価》

緑色掛けしているコースは、人気ランキングベスト30の中で格付評価SAに該当しているコースです。

人気ランキング30を格付評価ランキングに修正するとベスト10は、

上位から、茨木CC東広野GC・廣野GC・霞ヶ関CC鷹之台CC・大洗GC・武蔵CC

大利根CC札幌GC戸塚CCと変わります。(黒字5コースがベスト10に入れ替わります)


 

【4.関東地域別 格付評価順位に対するダイヤモンドランキングとの比較】

次に関東地域別の格付評価ベストランキングに対するダイヤモンド人気ランキングを比較します。

青字のコースは格付評価の高い会員権ですが、週間ダイヤモンドの人気ランキング圏外となってしまっているコースです。主な要因として、法人接待用ゴルフ場であることや経営母体の財務体質が優良で積極的に集客をしていないが故に一般ビジターがプレーする機会の少ないゴルフ場のためと推察いたします。

 

 

 


 

 

 

 


   

【5.人気ランキングベスト100の平均相場と会員権格付評価ベスト100の平均相場の比較】

 

 

人気ランキングベスト100の平均相場と格付評価ベスト100の平均相場を比較すると、相場差342万円の乖離が生じました。

但し、人気ランキング平均は、関東及び関西平均相場の約4〜5倍の平均値となりますので、相場観点から見ても優良コースが多いと実証されます。

 

AIゴルフ総研の会員権格付評価は、「資産保全性の高いゴルフ会員権」と「メンバーになる価値のある会員権」の2つが大きな基軸となっていますから、当然、ダイヤモンド人気ランキング100とは異なると予想はできました。

しかしダイヤモンドの上位ランキングのなかで重複するコースも少なくなく、特に人気ランキングベスト50以内かつ格付評価ベスト50以内のコースは8コースありました。

(大洗GC・廣野GC・大利根CC・茨木CC・東廣野GC・鷹之台CC東京GC・小金井CC

 

 

今回の人気ランキング回答者の声から改めて感じることは、ゴルフ場にとってやはり、景観とサービスのポイントは高いという事。また井上誠一氏の設計したコースが、依然として人気が高い事(大洗、葛城、日光、龍ヶ崎)。リンクスや日本を象徴する富士山を望むコースという景観の良いゴルフ場の人気が高い事(川奈、大洗、フェニックス、御殿場、葛城)。またプロトーナメントが行われるコース、特にドラマティックな熱戦が展開されたコースは前回より順位を上げた事。

 

当たり前の事ではありますが、コースの戦略性と美しさを兼ね備え、コンディションの維持とサービスの向上を行うことは重要です。

 

しかしコンディションとサービスの向上を維持するためには、経営会社が健全経営をして、利益を生み出し、資金を投入しないと成り立ちません。

向上維持できる採算の取れる安定した収入、それは近年、台頭している格安プレーの料金形態では成り立ちません。全てのものには適正価格があります。パブリックコースならいざ知らず、メンバーシップコースに対しても安ければ安いほど良いという風潮には歯止めが必要な時期にきているのではないでしょうか。原点は近江商人の『三方よし』のように、売り手よし(ゴルフ場)、買い手よし(ゴルファー)、社会によし(業界)になることが、永続的に繁栄し続ける秘訣になると確信いたします。


 

適正なプレー料金から生まれた利潤を目に見えるようにコースメンテナンス等に還元し、メンバーや顧客の満足度を高め、その価値に対して笑顔で適正価格をゴルフ場に支払うという循環こそがゴルフ場の本来あるべき姿でしょう。

 

理想は、週間ダイヤモンド人気ランキングBEST100AI ゴルフ総研の格付評価BEST100が限りなく一致することです。

 

ゴルフ会員権という一つの大切な資産という観点から見ると、経営母体の安心さとメンバーとしての価値、そしてコースコンディションとサービスの充実が加われば理想のコースと云えるのでしょう。

当たり前のことを当たり前にすることは、云うほど簡単なことではないかもしれませんが、凡事徹底こそが歩むべき王道だと信じています。

 

以 上

 

                    (AIゴルフ総研事務局:川島利彦、柳肇、品川なつみ)