【2008年9月期】 米国のサブプライム問題に続く、リーマンブラザーズ倒産等の金融情勢の悪化に連動して、日本国内景気の不安定な状態が続いています。 定額減税や補助金で内需を支えるという麻生新内閣の誕生により、国内景気の回復に期待は懸かるものの、株価同様にゴルフ会員権の相場上昇も期待薄でしょう。 (尚、リーマンブラザーズ経営の国内ゴルフ場は、響の森CC(群馬)を平成18年9月サントリーから買収しましたが、平成19年5月に転売済みです。) 関東圏においてのゴルフ会員権相場は、9月の会員権相場は売り気配一色となりました。 特に1,000万円以上(関東全体の4.3%・324コース中14コース)の優良コースの下落率が高く、相場全体の下落に拍車をかけた状況です。 昨年2007年同月との騰落率は、関東平均-27%に対して下記数値になりました。 よみうり(-52%) 桜ケ丘(-46%) 東京よみうり(-44%) 小金井 (-43%) 箱根 (-43%) 大利根 (-39%) 戸塚 (-38%) 本厚木(-34%) 鷹之台 (-33%) 武蔵 (-29%) 磯子 (-27%) 我孫子 (-26 %) 相模原 (-26%) レイクウッド(-13%) 実際は、表面上の軟調相場気配よりも、更に市場の冷え込みを感じます。 但し、優良高額コースの下落に関しては、決してゴルフ会員権の真の価値が損なわれたわけではなく、生活必需品の値上がりや企業の生産や設備投資の抑制などの心理的かつ経済的要因が強く影響したと推察致します。 一方、低額相場コースは、これ以上は下落しようがない相場まで落ち込んでいます。 特に外資傘下の数十万クラスのコースは、売り物一色で購入希望者が全くいないという状況が3ヶ月前から続いています。 低額相場コースも、外資系になる前までは相場金額は別にしても、需要があり市場売買が活発でした。しかし法的整理等後は、パブリックコースと化してしまったが故に会員制ゴルフ場のメンバーになる価値やメリットを大きく減少させる結果を招きました。 外資系は経営交代してから、利益確保のために年会費を上げ、ビジター集客に力を入れました。 一番金銭的負担を強いられたメンバーに対しては、会員権価値を高めたのではなく、逆に会員の資産価値であるゴルフ会員権に対して負のスパイラル現象を引き起こしたのです。 民亊再生法の施行以来、預託金大幅カットや外資系の戦略により、見事に日本のゴルフ会員権市場が翻弄されたと云えます。 ゴルフ会員権は平成バブル期に投機目的による暴騰が取りざされましたが、バブル崩壊後は、投機目的の需要は無くなり、プレー目的の実需により健全な市場売買が成立してきました。 ゴルフ会員権を購入する一番大きな動機は、当然のことながら購入したゴルフ場で“メンバーならではのプレーを満喫したい”ということです。 しかし購入したゴルフ場の予約が、ビジター集客の弊害によって取りづらかったり、メンバーとビジターの料金が殆ど変らない、そんなゴルフ場の会員権を誰が所有し続けるでしょうか。 ゴルフ場のインターネット予約サイトが世に出てから10年が経過します。 ゴルフ場集客の手段として、ネット予約サイトを名門コース以外の殆どのゴルフ場が提携し成果を上げてきました。 しかし一方で会員制ゴルフ場を形骸化させ、パブリック化を進めてしまったのも歴然たる事実です。 ゴルフ場経営には来場者の獲得(集客営業)は必要条件ですが、メンバーシップコースにも拘わらずビジター集客に重きを置いて、土日祝日のメンバーの予約が取れないという嘆かわしいゴルフ場も少なくありません。 景気変動に左右されやすいゴルフ会員権相場ではありますが、メンバーが会員権を手放したく無くなる魅力、「ゴルフ場はメンバーのためにある」、これこそがメンバーシップのゴルフ場の原点であり、安定かつ高水準の会員権相場を保つための絶対条件であると提言します。 よって、パブリック的な会員制ゴルフ場から本当にメンバーを大切にする本来あるべき会員制ゴルフ場へと目覚める経営ゴルフ場が、一つでも多く増えることを強く願います。 |