〜 続・ゴルフ会員権相場におけるアベノミクス効果の考察 〜 |
【2013年6月期】 ゴルフ会員権相場は、2013年年明けから現在に至るまで、相変わらず堅調なトレンドが続いております。 2013年6月レポートは、前回3月レポートに引き続き、アベノミクス効果の考察です。 リーマンショック後、最安値を更新した2012年12月会員権相場と2013年5月会員権相場を多面的角度から比較分析してご報告させて頂きます。 【2013年5月 会員権相場の考察】 @関東G会員権平均相場と日経平均株価等との比較 【図1】 関東ゴルフ会員権相場(AIG総研調査/1都11県501コース対象)は、日経平均株価の動きとほほ連動、同調しています。 日経平均株価と大きく異なる点は、堅調な相場が続伸しているとは云え、リーマンショック前の関東ゴルフ会員権相場(2008年8月)176万円 に対して、まだ76%水準の到達であることです。 A1都7県別 2012年12月相場と2013年5月相場との比較 日経平均株価と、ほぼ連動している関東平均相場ではありますが、都県別角度から見てみると、バラつきが見え始めます。 【図2】 1都7県の各平均相場は、全て昨年末相場よりも、上昇しているようです。 しかし、都県別の相場推移を観てみると、関東平均相場と比較して、都心部神奈川・埼玉エリアの会員権相場の上昇率の高さが目を引きます。 対して、遠隔部栃木・群馬の上昇率が弱いことが明白になりました。また上昇しているといっても、県平均相場が低いため、金額にすると平均3〜8万円程度のUPなのです。 翻って東京は、関東平均並みの上昇ですが、金額にすれば、平均230万円もの上昇です。 ゴルフ会員権の購入希望者は、1都3県への集中傾向が強まり、関東ゴルフ会員権相場の上昇も結局は、1都3県が牽引していると云えるでしょう。 B1都7県別 相場高騰コースと相場下落コースの比率 1都7県の各平均相場は、総じて上昇しておりますが、バブル時と異なるのは、全てのコースが上昇している訳ではないということです。列島バブルは、全てのコースが高騰しました。 しかし現在、格差、2極化現象が、今まで以上に顕著になってきています。 下記図3は、年末相場と現相場で、上昇したコースと下落したコース(0%〜マイナス%)の都県別分布です。 【図3】 東京のみ全15コース上昇となりました。 しかし首都圏3県でも約3割のコースが相場下落を示しており、他の地域では、約5割前後が相場下落している 現実が浮き彫りにされます。栃木については、約2/3のコースが下落しています。 尚、相場下落コースの92%(143コース中131コース)が、土日祝日のプレーに関し、危惧した通りに、インターネット予約サイトからビジターのみでの予約可能コースでした。 C1都7県 相場高騰BESTコース一覧 最後に各都県別の上昇金額の大きいランキングをご報告申しあげます。 驚くべきことに、小金井CCと戸塚CCは、1,300万円も急上昇しています。 300万円以上相場上昇したコースは、14コース存在しました。 また、会員権相場が下がり過ぎた感の強かった完全株主制ゴルフ場の調整相場であったとも云えるでしょう。 〜相場急上昇の完全株主制ゴルフ場〜 【東 京】*小金井CC *府中CC 【神奈川】*相模原GC *本厚木CC 【埼 玉】*武蔵CC *狭山GC *飯能GC *日高CC 【千 葉】*千葉CC *袖ヶ浦CC *我孫子CC *藤ヶ谷CC 【茨 城】*大利根CC *筑波CC *龍ヶ崎GC *大洗CC 【栃 木】*小山GC *日光CC 【山 梨】*メイプルポイントCC 【総論】 ゴルフ会員権相場の急上昇カーブは、売り手の上昇期待値を高め、購入希望価格と売却希望価格との金額の開きを拡大させているコースも多く、会員権市場の取引活性化には未だ至っておりません。 しかし、徐々にリーマンショック前の相場へと確実に近づいています。 但し、前述の通り、より顕著な2極化現象が現れています。 売り気配一色のゴルフ会員権と、買い気配一色のゴルフ会員権という図式です。 現在、売り一色の会員権は、市場から会員権価値がないと烙印を押されたに等しいのです。 そして、これから益々、格差が開いていくと推察致します。 例えデフレ経済を脱却したとしても、2015年問題を控えるゴルフ場業界は、大きく「変わる」必要が、まだまだあるはずです。 『 常識を否定することの中にこそ、ビッグチャンスあり 』 『 変化するには(進化するには)、 古い習慣を(悪しき習慣を)、 新しい習慣に(良き習慣に)置き換えねばならない 』 ネット予約サイトから予約OKの会員権の購入希望者が、ますます減少しています。 ゴルフ場によっては、ネット予約サイトからの集客に頼る常識から脱出する必要があるでしょう。 新しい習慣になる、新しいスタンダードになる、今迄にないゴルフ会員権、今迄にないゴルフサービス、という ものを特に潜在ゴルファーは待ち望んでいます。 ゴルフ大国日本。されどゴルフ天国日本とは残念ながら云う人はいません。 ゴルフ大国ニッポンかつゴルフ天国ニッポンと云われるためには、何を変え、何をしていけば良いのでしょうか。 次回のレポートは、ゴルフ天国と云われる国の一つでもあるタイ王国のゴルフ事情およびゴルフ会員権事情を参考までにお届けさせて頂く予定です。 (AIゴルフ総研事務局:川島・柳・五十嵐・品川) |